熊本県警に不法残留容疑で逮捕されたベトナム人が、翌日に釈放されていたことが分かった。県警が福岡出入国在留管理局の情報に基づいて逮捕したが、逮捕後に特例で在留期間が延びていたことが判明したという。

 県警外事課によると、熊本県山鹿市菊鹿町にある廃品回収品の解体作業場で働いていたベトナム人6人を4日、出入国管理及び難民認定法違反(不法残留)の容疑で、翌5日には作業場を運営する会社の従業員の男(44)を同法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕した。

 ベトナム人6人は、福岡出入国在留管理局に在留期間を確認したうえで逮捕した。ところが、このうちの6月2日に期限が切れた男性(25)について、逮捕翌日の5日、入管から「能登半島地震の特例で、在留期間が6月末まで延びていた」という連絡があった。この男性は1年ほど前から熊本に住んでいるが、記録上の居住地としては新潟県のままで、特例が適用されていたという。

 この連絡を受けて、県警は男性を5日に釈放した。男性は特例のことを知らず、自分は不法残留になったという認識だったという。

 県警は、この事件で7人を逮捕したことを5日夕方に発表。6人は実名を出したが、釈放した1人は匿名にした。

 外事課は「不法残留かどうかは入管の情報に基づくほかない。逮捕は事実なので、この男性の名前を伏せて発表した」と話している。(森北喜久馬)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。