認知症の高齢者に不動産売買契約を結ばせ、現金1600万円をだまし取ったとして、警視庁は5日、職業不詳の山崎和馬容疑者(41)=東京都豊島区=ら4人を準詐欺容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。

 4人は不動産会社「インターネット不動産販売」(東京都板橋区)の従業員で、警視庁は約50人の認知症の高齢者から計約1億3千万円をだまし取ったとみて調べる。

 捜査2課によると、4人は共謀し、認知症の80代女性と東京都青梅市のアパートの一室を共同所有する不動産売買契約を結び、昨年6月中旬に現金1600万円を振り込ませてだまし取った疑いがある。山崎容疑者らはアパートの一室を約160万円で購入し、その約10倍となる約1600万円で女性に販売していたという。

「あやしい男2人が来ている」通報

 昨年7月、女性のケアマネ―ジャーから「女性の家にあやしい男が2人来ている」といった内容の通報があり、警視庁が捜査していた。女性は一人暮らしで、山崎容疑者らは約4カ月に約20回訪問して営業。金融機関の窓口にも帯同し、入金の手続きを手伝っていたという。

 同課は、首都圏各地の認知症の高齢者を狙っていたとみて、同社の4人以外の関与も調べる。(福冨旅史、三井新)

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