横田滋さんの命日を前に会見する早紀江さん=川崎市内で

 北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(88)が4日、自宅のある川崎市内で記者会見した。拉致問題について「必ず解決しなければいけない。政府には(北朝鮮と)腹を割って、きちんと話し合いのできる状況をつくってほしい」と、早期解決を改めて訴えた。

◆「もうちょっと頑張りなさいと言ってくれている気がする」

 会見は、2020年6月5日に87歳で亡くなった夫の滋さんの命日を前に実施。滋さんについて「めぐみを本当に大事に育てていて、本当にショックだったと思う。でも悲観的にならず、自分のできることを素直に、一生懸命頑張った人でした」と振り返った。  日朝両政府が14年5月に拉致被害者の再調査を決めた「ストックホルム合意」から10年となり「(拉致が)明らかに悪いことと分かっているのに、何の前進もなく、本当にむなしい」と強調。「北朝鮮の言うこともある程度は飲まないと、何も動かないかもしれない」と危機感を募らせた。  自身も昨年、自宅で狭心症で倒れ「あと2年間、生かしてください」と祈ったという。今は体調も戻り「神様がもうちょっと頑張りなさいと言ってくれている気がする。はっきりとみんなの姿が見えるように、今年は必ず何らかの形になるように、願っています」と力を込めた。(小倉貞俊) 

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