グーグルマップに投稿された口コミで名誉を傷つけられたとして、兵庫県尼崎市で眼科医院を開く医療法人が投稿者に口コミの削除と200万円の賠償を求めた訴訟で、大阪地裁（山中耕一裁判官）は名誉毀損（きそん）を認め、投稿者に削除と全額の支払いを命じた。

　グーグルマップでは地図情報のほかに、病院などの施設名も表示され、サービス利用者は匿名で口コミを投稿でき、誰でも閲覧できる。

　5月31日の判決によると、投稿者はこの眼科医院について、「レーシック手術は左目だけで勝手に右目はレンズを入れられた」「勝手に一重まぶたにされ、たぶん視界は狭くなった」などとグーグルマップに投稿した。地裁は「投稿によって、『勝手な医療行為をする』との印象を閲覧者に与え、医療法人の社会的評価を低下させた」と判断した。

　口コミは匿名で投稿されていたことから、医療法人は2021年、グーグルに対して発信者情報の開示を求めて提訴し、大阪高裁が22年10月、開示を命じる判決を出して確定。昨年9月に投稿者の氏名と住所が開示されていた。（山本逸生）

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