インターネット上の地図サービス「グーグルマップ」上の口コミで一方的な悪評を投稿されたとして、兵庫県尼崎市で眼科医院を運営する医療法人「秀明会」が投稿者に損害賠償などを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(山中耕一裁判官)は3日までに、投稿の削除と200万円の賠償を命じた。5月31日付。

「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT(情報技術)企業が展開するネットサービスにおける投稿は、虚偽や誹謗(ひぼう)中傷、名誉を毀損するものも多く含まれるとして社会問題化している。集団訴訟も起きており、状況改善を迫る司法判断として一石を投じそうだ。

判決によると、大阪府の被告女性は遅くとも2021年までに、眼科医院の口コミに「勝手に一重まぶたにされた」などと書き込んだ。山中裁判官は「患者から承諾を得ることなく、勝手な医療行為をするとの印象を閲覧者に与える」と指摘。名誉を毀損し、社会的評価を低下させたとした。

グーグルマップを巡っては、全国の医師や歯科医師らが、不当な口コミが削除されず利益が侵害されたとして運営会社に損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こしている。〔共同〕

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