避難指示が続く石川県輪島市市ノ瀬町地区の土砂崩れ現場付近。土砂崩れ対策の土のうで囲われていた=1日午後

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県が、自宅での居住を禁じられる「長期避難世帯」として7市町で計約500世帯を認定する可能性があることが1日、関係者への取材で分かった。認定されると他地域での再建を余儀なくされ、地区からの人口流出に歯止めがかからなくなる恐れがある。長期間住めなくなることへの住民の反発も予想され、県と各市町が調整している。

 地震発生から5カ月が経過した。避難生活を余儀なくされている住民は3319人に上る。ビニールハウスなどの自主避難所に滞在する人もおり、生活再建に向けたサポートが急務だ。

 石川県は5月、珠洲市で大規模な土砂崩落が起きた4地区37世帯と、津幡町で宅地の盛り土が崩れる恐れがある1地区8世帯を長期避難世帯に認定した。県は「対策工事に2~3年が必要」と判断し、地元と調整して認定に踏み切った。

 輪島市、七尾市、志賀町、穴水町、能登町でも二次災害の恐れがあるとして、計24地区472世帯で現在も避難指示が続く。関係者によると、これらの地区も長期避難世帯となる可能性がある。

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