埼玉県警は31日、タクシー運転手の男性(72)を銃撃して重傷を負わせたとして、強盗殺人未遂の疑いで、同県川口市の無職、瀬川好一(よしいち)容疑者(68)を逮捕した。瀬川容疑者は「金を奪おうと思ってはいなかったが、ピストルを撃ったことは間違いない」と容疑を一部否認している。  逮捕容疑では、29日午後11時40分ごろ、同市幸町3の路上に駐車中のタクシー内で、運転手の男性に拳銃のようなものを突き付けて「金を出せ」などと脅し、応じなかった男性の腹部に発砲して全治1カ月の重傷を負わせたとされる。弾頭は男性の体内から発見された。瀬川容疑者は現場から走って逃げ、県警が31日午前、防犯カメラの映像などから特定したとして、容疑者の氏名や顔写真を公表して公開手配していた。

◆福島から大宮へ、拳銃は「捨てた」

 県警によると、関係先の捜査の中で、容疑者は福島市内の知人女性宅に立ち寄っていたことが判明。31日午後、JR福島駅から新幹線に乗車し、大宮駅に到着した容疑者を、警戒中の埼玉県警の捜査員がホーム上で確保し、逮捕した。大宮行きの切符を所持していたが、拳銃は持っておらず、「捨てた」と供述しているという。県警は同日午後、容疑者の自宅を家宅捜索したが、拳銃は見つからず、今後、入手経路について捜査を進める。  容疑者の逮捕を受け、川口市の事件現場近くの小学校に子どもを迎えに来た30代の夫婦は「若干不安だった。子どもも『犯人どこにいるの』と話していた。捕まったのを知り、安心した」とほっとした様子で話した。瀬川容疑者の自宅付近で飲食店を経営する40代男性は「きょうは(昨夜の)事件当時どこにいたか、スタッフと話し合っていたところ。近くの事件で不安だったが、(逮捕で)安心できた」と話した。(足立優作、飯塚大輝) 

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