オーストラリアで2019年、海外交流プログラムに参加した神奈川大付属高(横浜市)1年の男子生徒2人=いずれも当時(16)=が湖で溺れて死亡した事故で、危険な遊泳を禁止するなど注意義務を怠ったなどとして、遺族が31日までに同校を運営する学校法人神奈川大学や引率教諭ら学校関係者に計約2億5850万円の損害賠償を求め横浜地裁に提訴した。  訴状などによると、生徒2人は19年3月29日、引率の教諭や旅行会社添乗員らとともにオーストラリア東部にある世界遺産の観光地ガリのマッケンジー湖を訪れ、行方不明になった。2人は翌30日に湖底で遺体で見つかった。  遺族は、学校側が訪問場所やその周辺に危険箇所がないかどうか十分に調査する義務を負っていたのに調査せず、ライフセーバーの手配や救命道具の用意など安全対策を実施しないまま遊泳させ、引率教諭が2人を救助することなく溺死させたとしている。湖に続く小道には「遊泳は推奨しない」などの看板もあった。  学校法人側は「裁判中であり、コメントを差し控えたい」としている。


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