31日午前0時25分ごろ、群馬県安中市松井田町土塩の住宅から「クマが家の中に入ってきて、夫がかまれた。今は外に出ていった」と住民の女性から119番通報があった。70代の夫婦が自宅に入ってきたクマに襲われて大けがを負った。県警は周辺をパトロールし、住民に不要不急の外出を控え、戸締まりを徹底するよう呼びかけている。

 クマに襲われたのは、パート従業員の夫(74)と妻(72)。夫は頭などに裂傷を負い、妻は右手を骨折といずれも重傷だが、命に別条はないという。同居の息子にけがはなかった。

 県警によると、夫婦が自宅で寝ていたところ、屋外の物音に気づいた。確認のために夫が掃き出し窓を開けると、突然外から侵入してきたクマに襲われたという。クマは2人を襲った後、外に出て行った。体長が約1メートルの成獣とみられる。午前8時40分時点でも見つかっていない。

 現場は安中市役所から北西に約10キロの山間部。県警によると、これまでに周辺でクマの目撃情報や、人的被害の情報は寄せられていなかったという。

 県は住宅地でクマを目撃した時の対策として、近くの建物や車に避難▽避難できる場所がなければゆっくりと静かに立ち去る▽距離が近ければクマから目を離さずにゆっくりと静かに後退――などを呼びかけている。(中沢絢乃)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。