東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の控訴審で、東京高裁、株主側、旧経営陣側の3者による非公開の協議が30日、同高裁であり、木納敏和裁判長らが10月25日に現地視察する日程が固まった。8月19日に開く口頭弁論で正式に決定する。協議後、株主側が記者会見し、明らかにした。

◆一審では旧経営陣4人に計13兆3210億円の支払いを命じた

東京高裁が入る裁判所合同庁舎

 株主側は、一審の審理で東京地裁の裁判長らが視察した原発敷地内に加え、事故で避難を強いられ、入院患者ら44人が死亡した双葉病院(福島県大熊町)の視察も求めた。行き先は引き続き協議する。株主側代理人の海渡雄一弁護士は「裁判官は現場を体感して判決を書きたいと言っており、大変心強い」と話した。  一審東京地裁判決は、津波対策を怠り東電に損害を与えたとして勝俣恒久元会長(84)ら旧経営陣4人に計13兆3210億円の支払いを命じた。株主側、旧経営陣側とも控訴し、高裁で審理が続いている。木納裁判長は11月27日に結審する見通しを示している。(加藤益丈) 

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