テレビ東京は30日、昨年3月放送の番組で不適切な表現が確認された「激録・警察密着24時!!」の制作を中止すると発表した。定例会見で石川一郎社長は「プロがきちんと処理すべきものをしなかった。視聴者に誤解を与え、関係者の名誉を傷つけたことを深く反省し、心からおわび申し上げる」と述べた。番組関係者を社内処分する方針。

放送の対象となった会社の代理人は取材に対し、従業員らが精神的苦痛を受けるなどの人権侵害があったとして、今年1月に放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てたと明らかにした。

テレ東によると、昨年夏ごろに取材対象者側から指摘があり、経緯を調査していた。

放送で取り上げたのは、大ヒットアニメ「鬼滅の刃」を連想させる商品に絡む不正競争防止法違反事件。4人が逮捕されたとしていたが、その後3人が不起訴になったことに言及しなかった。不起訴の事実を把握している職員もいたが、情報が共有されていなかった。

番組を制作したのは外部の制作会社で、4人の様子について「逆ギレ」や「今度は泣き落とし」といったナレーションを付ける過剰な演出もあった。テレ東職員がチェックしていたが見過ごされたという。同局は再発防止のため、今月31日から番組制作に関わる全職員を対象に研修を実施する。

「激録・警察密着24時!!」は約20年間不定期で放送され、事件、事故に対応する警察官への密着を特色としていた。〔共同〕

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