知的障害者による臓器提供を巡る対応

 臓器移植のあっせん機関である日本臓器移植ネットワークが、知的障害の療育手帳を持つ人の臓器提供の意思表示を一律に無効とする運用をしていたことが29日、分かった。報告を受けた厚生労働省は、有効な意思表示が困難な障害があるかどうかは主治医らが確認することであり、手帳を持つことのみを理由に一律に判断しないよう徹底を求める通知を移植ネットなどに出した。通知は27日付。

 知的障害の程度は個人差が大きい。臓器移植法では「提供に関する意思は尊重されなければならない」と規定されているが、こうした運用によって一部の人の意思が反映されない状態になっていた恐れがある。

 臓器移植法の運用指針では、15歳以上で知的障害などにより有効な意思表示が困難と判明した場合は臓器の摘出を見合わせることになっている。一方で意思表示が困難な障害があるかどうかは、主治医らが家族への説明などの中で確認することになっている。

 厚労省は、主治医らが意思表示の困難な障害はなかったと判断した場合は、法的脳死判定と、臓器摘出が可能だとしている。

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