会計検査院が調査したのは、水産業の競争力強化を目的に、水産庁が基金への補助金を出して実施している「漁船導入支援事業」です。

この事業では、基金から支援を受けて漁船をリースした人の「漁業による所得」を評価対象とし、5年以内に所得を10%以上向上させることなどが、目標として掲げられています。

しかし、会計検査院が2016年度から2021年度にかけて支援を受けた17道府県725人の漁業者を対象に調査を行ったところ、およそ6割に当たる459人は、海の清掃など、「漁業以外」で得た収入や支出も、所得の計算に加えていたことがわかりました。

中には、会計検査院が計算した「所得」と1割以上、金額に差があったケースや、漁業以外の収入を差し引くと、目標の達成基準を下回っていたケースもあり、事業の成果を正しく把握できない状態になっていました。

会計検査院は、漁業者が所得の算出方法について十分理解できていないことが背景にあるとして、水産庁に対し、正しい算出の方法を漁業者などに周知することを求めています。

水産庁は「指摘を踏まえ、事業が適切に実施されるよう努めていきたい」としています。

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