名古屋駅と栄の間に位置する長者町通(名古屋市中区)で27日、いったんは撤去される予定だった「長者町繊維街」の看板に、再びこの6文字を掲げる工事が始まった。雨が降りしきるなか、集まった繊維問屋などの関係者が、感慨深そうに、高さや幅が1メートルを超える巨大な文字が設置される様子を見つめていた。

 大小7基あった看板は40年以上、通りの象徴として親しまれてきたが、所有する名古屋長者町協同組合が3月末に解散。これにともなって看板の撤去方針が伝わると有志から寄付が集まり、2基を残すことが決まった。5基は3月に解体され、2基も改修作業のため字を取り外していた。今後は、地域の人たちでつくる長者町発展会が管理を担う。

 2基の看板の工事は、週内にも終わる見込み。

 最後の組合理事長だった滝一之さん(68)は「看板が残ってうれしい。気風や文化が地域に受け継がれていくことが大切と思う」と話した。(伊藤裕香子)

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