東京都港区の区長選は26日告示され、現職と新顔の計3人がいずれも無所属で立候補した。立候補を届け出たのは、新顔で元都議の菊地正彦氏(71)、元区議の清家愛氏(49)、6期目を目指す現職・武井雅昭氏(71)=自民、公明推薦=。

 各陣営は26日、区内各所でそれぞれ第一声を上げた。

 菊地氏は白金高輪駅近くで演説を開始。「港区は財政が豊かな富裕区だからこそ、無駄遣いを徹底的にチェックする」と訴えた。タワーマンションの建設ラッシュなど再開発で人口が増え、災害が起きた際のリスクが高まっているとして、防災対策の強化も主張。「みんなが平穏で安心して暮らせる街づくりに邁進(まいしん)していく」と語った。

 六本木の選挙事務所前で第一声を上げた清家氏には、品川区の森沢恭子区長らが応援演説に駆けつけた。清家氏は「長期政権は組織が硬直化する」などと指摘し、6選を目指す現職の武井氏を批判。子育て支援に取り組んできた区議としての実績をアピールし、「愛があふれる国際都市・港区をここから作っていきたい」などと意気込んだ。

 武井氏のもとには、区医師会や区商店街連合会などの支援団体の幹部らが次々と応援に入り、マイクを握った。大門の選挙事務所前で最初の演説をした武井氏は、多選批判を意識。各地の総合支所の整備やコロナ禍での対応などをはじめとした5期20年間の実績をアピールした。「頼りになる区役所をこれからも作っていきたい」と述べた。

 いずれも6月2日に投開票される。25日現在の選挙人名簿登録者数は20万7337人。(滝沢貴大、石平道典)

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