多様な性の姿を伝える「プライド・クルーズ」が25日、大阪市の大阪城周辺の川を航行した。来月は、性的マイノリティーらがその人生を祝い、社会に権利を訴える「プライド月間」。

 「虹を探しに、ほな行こかー」「ハッピー・プライド」。乗船者約120人がそろって声を上げ、多様な性を象徴する虹の旗などを振った。

 3年目となる今年、台湾出身の芥川賞作家、李琴峰さん(34)も乗船。李さんはレズビアン(女性の同性愛者)であると公表し、性的マイノリティーを描いた受賞作の数々で知られる。

 李さんは、性的マイノリティーの存在を認めようとしない法制度や政治家らにふれ、「私たちはすでに存在しているのです。過去に存在したし、今も存在しているし、これからも存在し続けるでしょう」と語りかけた。

 岸から見守る人たちも旗や手を振り、声援を送った。大阪府茨木市に住む英語教師のネルソン百合子さん(47)は、性愛を抱かないアセクシュアル。一昨年、NHKドラマ「恋せぬふたり」で注目された。ネルソンさんは「『テレビの中にはいるだろうけど、身近にはいない』と言う人もいる。説明しなくてもわかってもらえる世の中になってほしい」と話した。(花房吾早子)

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