東京都品川区の住宅で23日、住民の母子4人の遺体が見つかった事件で、4人には身を守ろうとしてできる目立った傷がないことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁は4人が抵抗できない状態だったとみて、殺人事件として調べる。
捜査1課によると、亡くなったのは高波冬美さん(37)と、高波さんの長女で小学1年の後藤鈴(りん)さん(6)、いずれも保育園児で次女の後藤玲ちゃん(3)、長男の後藤信(しん)ちゃん(2)。4人ともその場で死亡が確認された。
室内は一部が焼け、高波さんの40代の元夫も煙を吸うなどして入院した。命に別条はないという。元夫は3人の父親で、夫婦は今月離婚し、その後も同居していた。
捜査関係者によると、4人の胸や首には複数の刺し傷などがあり、失血死の疑いがある。室内からは凶器とみられる包丁が見つかった。一方で4人には身を守ろうとした際に腕や手などにできる「防御創(ぼうぎょそう)」がほとんどなかったという。
父親は入院 回復待って事情聴く方針
子ども3人と父親は1階寝室の布団の上で、冬美さんは寝室の入り口付近でそれぞれ倒れた状態で見つかった。父親の首には、自ら傷つけたとみられる浅い切り傷があることも判明した。室内の窓や扉は施錠されており、同課は家族内で何らかのトラブルがあったとみて、父親の回復を待って事情を聴く方針。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)
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