神戸市の連続児童殺傷事件で殺害された土師淳君の父、守さんが公表した手記=共同

1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君(当時11)が殺害されてから24日で27年になるのに合わせ、父、守さん(68)が手記を公表した。「次男が何故、加害男性に命を奪われなければいけなかったのかという問いについて、私たちが納得するような解答を求め続けている」と心境をつづった。

手記の冒頭で「子供への思いは、どれほどの時間が経過しても変わるものではない」と吐露。2017年まで命日の前に届いていた加害男性(41)からの手紙は今年も来ていないといい、「遺族の思いに答える努力をしてほしい」と訴えた。

「新全国犯罪被害者の会(新あすの会)」の幹事を務める守さんは、兵庫県が犯罪被害者らに見舞金を支給する制度が今年始まったことについて「支援がさらに進展すると思う」と期待。

一方、市町によって条例が異なり支援に差があるなど「対応すべき問題はまだ多く残っている」と指摘し、被害に遭った少年への支援は教育も含め全く不十分だとした。

犯罪被害給付制度に基づき支払われる給付金が政府決定で大幅に引き上げられる方向になったが、加害者の民事上の損害賠償を国が立て替える制度は見送られたことを踏まえ、一元的に支援を担う「犯罪被害者庁」設立の必要性も強調した。

犯罪被害は誰でも遭う可能性があるとし、理解が進み「被害者を取り巻く環境がさらに改善するように願う」と結んだ。〔共同〕

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