これは、大阪大学医学部附属病院胎児診断治療センターの遠藤誠之副センター長らのグループが発表しました。

グループでは3年前の4月以降、背骨の神経がゆがんで、脳や運動の機能に障害が出る「脊髄髄膜瘤」という先天性の難病の胎児6人に対し、母親の子宮を8センチほど切開して、そこから胎児の背骨の神経のゆがみを治す手術を行いました。

このうち1人は、生後まもなく感染症のため亡くなりましたが、4人は無事に生まれて、脳の症状の一部を抑えることに成功したということで、別の1人は今後、生まれる予定だということです。

グループによりますと、この病気に対しては胎児のうちに手術を行うことで、生まれたあとに手術をする場合と比べ、症状がより改善するということで、欧米では広く行われていますが、国内では初めてだということです。

グループは、今後も手術を行って安全性や有効性を確かめ、早ければ3年後に実用化したいとしています。

遠藤副センター長は「出生前検査でこの病気がわかることもあり、今回の手術が病気の胎児と家族にとって、新たな選択肢となるよう体制を整えていきたい」と話していました。

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