自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件で、派閥からの還流金を政治資金収支報告書に記載しなかったとする政治資金規正法違反の疑いで告発され、不起訴となった萩生田光一前政調会長ら4人について、告発した神戸学院大の上脇博之教授が22日、不起訴は不当だとして検察審査会へ審査を申し立てたと明らかにした。起訴すべきであるとの議決を求めている。

4人は、萩生田氏のほか、不記載があったとされる時期の萩生田氏の秘書ら。東京地検特捜部は秘書を起訴猶予、萩生田氏ら3人を嫌疑不十分で不起訴としていた。

萩生田氏が代表の「自由民主党東京都第24選挙区支部」は2018〜22年に派閥からパーティー券の販売ノルマ超過分として計2728万円の還流を受けた。萩生田氏らは同支部の収支報告書の収入に還流分を記載しなかったとして告発された。

今回の申し立ては時効を考慮し、19年分以降を対象とした。上脇教授は今月、同様に政治資金規正法違反などの疑いで告発され、不起訴となった世耕弘成前参院幹事長ら3人に対しても、審査を申し立てている。〔共同〕

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