悪質なホストクラブで高額な売掛金(ツケ)を背負わされた女性客が、売春や風俗店勤務を強要されるなどの事例が相次いでいることを受け、被害に遭った女性やその保護者らが22日、武見敬三厚生労働相と面会し、対応の強化などを求めた。

 面会では、20代女性が自身の被害内容などを説明。女性は両親から虐待され、10代から東京・新宿の歌舞伎町をさまようなかで、初めて「おかえり」と言ってくれたのがホストだったという。ホストクラブへの支払いのために1日に10人ほどの相手を強要され、売り上げを回収されたという。「売掛金だけでなく、虐待や貧困など困難な状況に追い込まれた女性を性的に搾取する構造が問題だ」と訴えた。

 被害を受けた別の20代女性の母親は、娘が身分を隠していたホストとマッチングアプリで知り合い、半年で1200万円の売掛金を背負わされたとし、「本人は洗脳され、親としては胸が張り裂けるような悔しい思い」と語った。

 武見厚労相は「若く本来は夢を持っていただかなければいけない世代の方にとって、すごくダメージになる話と受け止めた。問題解決のため関係省庁とも連携しながらことにあたりたい」と話した。

 厚労省は、全国の女性相談支援センターに対し、悪質なホスト被害に関する研修を実施し、相談を受けられる体制を整えるほか、大学生などの被害が多いことを踏まえ、若年層への周知や広報も検討していくという。(川野由起、藤谷和広)

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