子ども時代に厳しい家庭環境で過ごした人が、進学や就職などで自身を取り巻く状況が改善すると認知症発症の危険を大きく減らせることが分かったと、大阪大などのチームが22日付の米医学誌電子版に発表した。日本の高齢者9千人を対象にしたアンケートの結果を分析した。
ライフステージにより環境はさまざまに変化するが、ずっと良い環境で過ごしてきた人よりも、環境が改善した人の方が発症リスクは低かった。
認知症の発症リスクは、幼い頃の家庭環境や、学歴、職業などの「社会経済的指標」の影響を受けるとされている。ただ、進学や就職などに伴う指標の変化と発症リスクとの関係は分かっていなかった。
チームは人生を四つの時代に区切り、育った家庭が裕福だったか、どんな職業についていたかなど指標に関わる質問を設定。幼いときの家庭環境は5段階、職業は12段階などにランク付けをして、関係を調べた。
その結果、子ども時代に社会経済的指標が低く、その後指標が改善した人は、人生を通じて高かった人に比べて認知症の発症リスクは20%低かった。
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