奈良市の唐招提寺で19日、伝統行事の「うちわまき」で知られる「梵網会(ぼんもうえ)」が開かれた。新型コロナウイルスや天候の影響で関係者のみでの実施や中止が続いていたが、5年ぶりに一般の参拝者が参加。約200人が宙を舞うハート形のうちわに手を伸ばした。
午後3時に「ボーン」という鐘の音が響くと、鼓楼の2階から僧侶2人がうちわをまいた。うちわは「宝扇(ほうせん)」と呼ばれ、僧侶や職員の手作り。厄よけや虫よけの御利益があるとされる。
大阪府八尾市の介護士(47)は「キャッチするのは難しかったけれど、歴史ある行事に参加できてうれしい」と笑顔で話した。
うちわまきは寺を復興した鎌倉時代の高僧・覚盛上人の命日に行われている。「血を吸わせるのも修行のうち」と蚊を殺さなかった逸話にちなみ、せめて死後は蚊を払えるようにと、上人の仏前にうちわを供えたことが由来とされる。〔共同〕
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。