長崎原爆で犠牲になった人たちの名簿を外気にあてる「風通し」が17日、長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館であった。市職員11人が計200冊の名簿を1枚ずつ丁寧にめくり、傷みがないかを確認した。
原爆死没者名簿には、被爆者らの名前や死亡年月日、享年が記されている。昨年7月末までに亡くなったことが判明した3322人が新たに加わり、計19万5704人になった。国が定める被爆地域の外にいて被爆者健康手帳の交付が認められていない「被爆体験者」も含まれている。
原爆投下時刻の午前11時2分、市職員らは作業前に黙禱（もくとう）し、1枚ずつページをめくって風にあてた。作業にあたった山本李緒さん（23）は被爆3世。「これだけ多くの被爆者が亡くなったということを改めて実感して、お名前のすべてに風があたるようにという思いを込めてめくりました」と話した。（小川崇）
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