海外の薬が日本で実用化されない「ドラッグロス」を解消し、国民に最新の薬を迅速に届けるため、政府が創薬力強化の戦略目標案をまとめたことが16日、関係者への取材で分かった。希少疾患に光を当て開発を促し、投資と技術革新が持続的に繰り返されるような社会システムの構築を目指す。政府が6月ごろに策定する「骨太方針」に反映させる見通し。
戦略目標案では、患者数が少なく採算性が乏しいためドラッグロスが生じている子どもの病気や難病の希少疾患の薬開発を進めるとした。そのためにも臨床試験(治験)の体制整備や国際共同治験への参加を推進し、薬事規制を緩和する。
また、海外の研究開発や薬事承認に詳しい人材を外資系製薬大手などから積極的に呼び込み活用、国内の人材を育成する。開発の種を生む大学や新興企業と実用化を担う製薬企業をつなげる機会も設けるほか、バイオ医薬品など新しいタイプの薬が国内で製造できるようにする。
日本はかつて世界的な新薬開発国だったが、近年創薬力低下が指摘されている。
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