宇都宮大が3月、授業料を免除しすぎたフィリピン国籍の4年女子学生に「44万円を3週間以内に払わねば除籍とする」と通告した問題が、15日の衆院文部科学委員会で取り上げられた。盛山正仁文部科学相は、授業料未納の学生を除籍するまでの期間が、一部の大学で短く設定されていることに「学生の立場を考慮することが必要」と指摘し、学則見直しで一定の猶予期間を設けるなど柔軟な対応を促す考えを明らかにした。

盛山正仁文部科学相=4月撮影

 立憲民主党の吉田晴美議員の質問に答えた。  宇都宮大は授業料未納の場合、その学期の期末に除籍にすると定めている。国会図書館の調査によると、未納が発生した学生を除籍にするまでの期間は、国立でも大学ごとに異なる。宇都宮大や横浜国立大はその学期末としているのに対し、京都大やお茶の水女子大などは2学期連続で未納になった場合に限り除籍処分としている。

◆宇都宮大では分割払いや除籍の猶予制度あったが…

 宇都宮大の規定では、経済的困難にある学生には分割払いを認める条項があり、学則には特別な事情があると学長が認めた場合に除籍を猶予する条文もある。しかし、いずれも今回は発動されなかった。  盛山文科相は「宇都宮大からは適切に対応してきたと報告があったが、学生や保護者の理解が得られるよう丁寧な周知、情報発信をするよう指導したい」と述べた。東京新聞が3月に問題を報じた直後の記者会見でも、「情報発信に課題が残る」と大学の対応を問題視していた。(池尾伸一) 

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