情報提供ネットワークシステム使用実績の分布

 マイナンバーを使って行政手続きに必要な個人情報を行政機関の間でやりとりできる「情報提供ネットワークシステム(NWS)」を活用して、地方自治体がどれくらい他の機関に情報を照会したか、会計検査院が11県とその全市町村などを対象に調べたところ、一度も照会実績のない行政手続きが福祉や医療の分野を中心に4割近くあることが15日、分かった。

 自治体がNWSを使えば不要となる手続きを住民が続けざるを得なくなる。検査院はシステムを所管するデジタル庁や、行政手続きに関わる各府省庁に対し、周知徹底や自治体への助言を求めた。デジタル庁は「マイナンバー制度を推進する立場として重く受け止める。照会件数データを提供するなどして府省庁の取り組みを支援したい」としている。

 検査院によると、情報照会したことのある自治体が10%に満たない行政手続きも5割超に上った。一方で地方税や年金給付関連など、頻繁に照会がある手続きもあり、検査院は「手続きによって照会件数の差が顕著になっている」と分析した。

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