サカイ引越センターの元社員で、ドライバーを兼ねた引っ越し作業員だった3人は、未払いの残業代などを求める訴えを起こし、1審の東京地方裁判所立川支部は会社に合わせて1500万円余りの支払いを命じる判決を言い渡し、会社側が不服として控訴していました。

原告側によりますと、この会社では「出来高払い制」を採用し、売り上げや無事故、車の整備状況などに応じて手当を支給する一方、基本給を低く抑えていて「月給制」よりも事実上、残業代が低くなる仕組みになっていたということです。

15日の2審判決で東京高等裁判所の金子修裁判長は「出来高払い制は労働の成果に応じて額が決まるが、会社が採用している手当は原告たちの作業の成果とは言えず、出来高払いとは言えない」などとして、会社側の主張を退けました。

そして、改めて残業代を算定したほか「会社は残業代の支払いを怠った」として労働基準法の制裁金にあたる付加金も支払うべきだと判断し、1審に続き、3人に合わせて1500万円余りを支払うよう会社に命じました。

原告側の弁護士は「運送業界では広く出来高払い制が採用されているが、見せかけの出来高払い制に歯止めをかける画期的な判決だ」と話しています。

サカイ引越センターは「判決の具体的な内容を十分に把握していないが、主張が認められず残念に思う。今後の対応は判決文を精査して判断します」としています。

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