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 国の登録を受けずに高配当をうたう他社の社債の購入を勧誘したなどとして警視庁生活経済課は15日、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、資産運用コンサルティング会社「ザ・グランシールド」(東京都中央区)社長の中村佳敬容疑者(46)=江東区=や同社のファイナンシャルプランナーだった男女8人を逮捕したと発表した。これまでに全国の約1300人に販売し、約80億円を売り上げたとみられるという。逮捕は14日付。  逮捕容疑では、共謀の上、金融庁の登録を受けずに2020年4月から23年1月にかけ、年利20%の高配当をうたった信用保証会社「トラステール」(千代田区)の社債1億3千万円分の購入を全国の出資者16人に勧誘し、買わせたとされる。トラステールは実態のない会社だったとみられる。  同課は認否を明らかにしていない。中村容疑者らはトラステールの社債の売上のうち2割を、「紹介料」として得ていたという。

◆「歯列矯正モニター」巡りトラブル

 関係者によると、グランシールドは2016年3月に設立。自社やトラステールの社債の購入を勧誘し、出資者から多額の資金を集めていた。また「歯科矯正のモニターになれば実質無料で歯科矯正施術を受けられる」として患者との間で前払いでモニター契約を結び、毎月一定額の報酬を患者に支払う事業も実施。  だが、22年3月以降にモニター報酬の支払いが止まってトラブルに発展。23年1月には患者らから損害賠償請求訴訟を起こされるなどして社債の利払いも停止し、同年9月に債権者から破産を申し立てられていた。同12月には東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。


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