14日の日本列島は広い範囲で高気圧に覆われ、各地で最高気温が25度以上の「夏日」が予想される。気象庁によると、この春は全国的に平年より気温が高くなる見込みだ。体が暑さに慣れていない時期は急な気温上昇で熱中症の危険がある。日本気象協会は適度な運動で暑さに慣れることや、こまめな水分補給を呼びかける。

13日夕時点の気象庁の予報によると、14日の予想最高気温は福島や甲府、京都で27度、前橋や福岡で26度、東京都心や大阪は25度。各地で夏日が相次ぐとみられる。

4〜6月の3カ月予報では北日本から沖縄・奄美まで全国的に平年よりも気温が高くなる。温暖化の影響などで地球全体の気温が高い傾向にあることに加え、太平洋高気圧の張り出しが例年よりも強く、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすい。

3月31日にも各地で夏日を記録。東京都心は28.1度に達し、3月としては1876年に統計を始めて以来、最も高くなった。

「体が暑さに慣れていない時期は、急な暑さで熱中症になるリスクがある」。気象予報士の久保智子氏は注意を求める。

熱中症は気温や湿度が高い環境で体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、発汗や血流による体温調節ができなくなって起こる。体が暑さに慣れる「暑熱順化」が十分進んでいない梅雨前の時期は、季節外れの暑さで熱中症になるおそれがある。

日本気象協会は暑熱順化のために日常生活でできる動きをウェブサイトで公開している。帰宅時に1駅分歩くなどして30分のウオーキングを週5日実施したり、2日に1回はシャワーだけではなく湯船に入ったりすることをすすめる。「無理のない範囲で汗をかくことが大切」と説明する。

外出時のこまめな水分や塩分の補給、帽子や日傘の利用も熱中症対策に有効とされる。

厳しい暑さになる前にエアコンの準備を整えることも重要だ。例年、点検や修理依頼が6〜8月に集中して修理待ちになる場合もある。メーカーは早めに試運転をして異常がないか確かめることを呼びかける。

総務省消防庁によると、2023年5〜9月に熱中症で救急搬送された人は9万1467人で、前年同時期より2万人増えた。調査を開始した08年以降で2番目に多かった。

【関連記事】

  • ・東京都心28.1度、3月の過去最高気温 各地で夏日相次ぐ
  • ・日光で生じるかゆみや発疹 タイプ別の対策で防ぐ

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。