岩見沢地区消防事務組合(本部・北海道岩見沢市)の職員24人が13日、条例や規則通りの手当が支払われていないとして、過去3年の未払い賃金計約3300万円の支払いを求める訴訟を札幌地裁岩見沢支部に起こした。会見した原告の安川浩樹さん(50)は、「将来、消防で働く人が困らないよう、改善を求めたい」と訴えた。

 原告は、火災や救助・救急の現場で働く20~50代の職員24人。24時間ごとの交代制でシフトを組んで働いている。

 訴状などによると、条例や規則では、休日に勤務した場合、賃金が35%割り増しされる手当がある。原告は、この休日として祝日と年末年始が条例に明記されているのに、支払われていないと主張。また、特殊勤務手当(火災出動1回につき350円▽救急250円など)も、出動した回数の約8割しか支給されていなかったとし、2020年12月~23年11月の合計額の支払いを求めた。

 原告は、内部で勤務条件などへの意見を幹部に伝える「消防職員委員会」の制度を使い、20年から毎年、問題提起をし続けてきた。現場の消防職員には、勤務日と非番のほかに、シフトとして設定された休日(週休日)があるが、これまで組合側は原告に「休日手当は、週休日に出動命令が出されて勤務となった場合に支給している」などと説明したという。休日の定義が争点となりそうだ。

 同組合の渡辺正勝消防長は「条例と規則に基づいて支給しており、未払い賃金はないと認識している」とコメント。特殊勤務手当の支給についても内部で一定の基準があったためとし、基準については近く職員向けに公開するとした。(新谷千布美)

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