東京都千代田区が発注した区立小・幼稚園の改築関連工事などの入札を巡り、業者に入札情報を漏らしたとして、官製談合防止法違反(入札妨害)の罪に問われた区の元行政管理担当部長、吉村以津己被告(62)=静岡県熱海市=の東京地裁公判で検察側は13日、懲役1年6月を求刑した。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は6月13日。

検察側は論告で、区議だった嶋崎秀彦被告(64)=同法違反罪などで起訴=から依頼を受けた吉村被告が立場を悪用し、入札情報を漏えいしたと指摘。競争の公正を害し、区政への信頼を失墜させたと非難した。

弁護側は、人事権を有する当時の副区長から、嶋崎被告の問い合わせに応じるよう指示されていたと主張。吉村被告が自身も摘発されることを覚悟の上で、談合の実態を警察に告発し、事件の全容解明につながったとして寛大な判決を求めた。

起訴状によると、2020年4〜7月、嶋崎被告と共謀し、複数の区発注工事の一般競争入札について参加業者数などを漏らしたとしている。〔共同〕

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