伊藤信太郎環境相との1日の懇談の場で、発言中にマイクの音量を切られた水俣病の被害者団体などに、非難や批判の電話が数件かかっていることがわかった。

 懇談に出席した被害者団体によると、伊藤環境相が謝罪に訪れた8日夜、団体の事務所に電話があったという。

 「東京から」と名乗った男性は、「3分を守らないのが悪い」と非難。応対した団体事務局長は「時間を守るようにやっているし、環境省も非を認めているから謝罪に来ている」と説明したが、「騒ぐのはおかしい」などと15~20分ほど話し続けたという。

 別の被害者団体には9日、「3分で足りないのなら前もって言っておくべきでは」と批判的な意見の匿名電話が1件あった。懇談に出席していない団体には「地域に新たな対立を生むのが心配」などという電話があったという。

 木村知事は10日にあった定例会見で、「非常に憤りを感じる。偏見や差別はあってはならない」と話した。「つらい立場、苦しい立場におかれた方が、必死の思いでしゃべった。過去にもハンセン病の方の温泉ホテルの入室拒否事件があったと聞いている。今もこういうのがあるのかと非常に憤りを感じた」などとも語った。さらに、「患者・被害者の方、支援する方に対する差別偏見、誹謗(ひぼう)中傷があってはならない」として、啓発活動に力を入れる考えを示した。(今村建二、渡辺淳基)

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