【シリコンバレー=清水孝輔】ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームが8日発表した2024年1〜3月期決算は、売上高が前年同期比47%増の9億2800万ドル(約1440億円)、純利益は約75倍の2億2400万ドルだった。スマートフォン市場の回復や人工知能(AI)需要の高まりで収益が拡大した。
同日発表した25年3月期の通期の売上高見通しは38億〜41億ドルだった。売上高見通しの発表を受け、株価は8日の米株式市場の時間外取引で同日の終値から一時約8%減と大幅に下落した。
アームは2月に発表した23年10月〜12月期の決算発表で売上高が市場予想を上回り、株価が急騰して上場来高値を更新した。生成AIで成長期待が高まるなか、緩やかな収益拡大ペースを示したことで株価の下落につながった。
24年1〜3月期は設計を新規に契約したときに受け取れるライセンス収入が前年同期比60%増の4億1400万ドルだった。半導体が売れるごとに得られるロイヤルティー収入は主力のスマホ向けの回復で同37%増の5億1400万ドルだった。
アームは半導体の回路設計図でスマホ向けのシェアが高い。8日には決算発表に合わせて公表した資料で米半導体大手エヌビディアの最新のAI向け半導体「GB200」に自社技術が採用されたと明らかにした。生成AI向けの需要開拓を急いでいる。
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