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  • 英 ロシア駐在武官をスパイ活動で国外退去へ

  • ロシアで戦勝記念日 プーチン大統領演説へ

英 ロシア駐在武官をスパイ活動で国外退去へ

イギリス政府は、スパイ活動をしていたと見られるロシアの駐在武官を国外退去させると発表しました。

イギリス政府は8日、国内でのロシアの諜報活動への対抗措置としてロシアの駐在武官を国外退去させるほか、ロシアが諜報活動に使っていたとみられる国内の複数の施設を「外交施設」の位置づけから除外すると発表しました。また、ロシアの外交官の滞在期間を制限するとしています。

今回の措置についてクレバリー内相は「われわれはロシアに対し抑止のための強いメッセージを送るとともに、その諜報機関の能力をさらに低下させる措置をとる」としています。

イギリスでは去年からことしにかけて、ロシアのためにスパイ活動をしていた罪でブルガリア国籍の6人が起訴されたほか、近年、議員へのサイバー攻撃などが相次いでいてイギリス政府はロシアが関与していたという見方を示しています。

イギリス政府は2018年、国内で起きたロシアの元スパイの暗殺未遂事件を受け、ロシアの外交官23人を追放するなどの措置をとり、欧米など各国もそれに続きました。

これに対し、ロシア政府は各国の外交官を国外退去させたいきさつがあり、今回もロシア側が対抗措置をとるものと見られます。

ロシアで戦勝記念日 プーチン大統領演説へ

ロシアで5月9日の「戦勝記念日」は、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝う、最も重要な祝日の1つで、各地で記念式典や軍事パレードが行われます。

首都モスクワでは、日本時間の9日午後4時から中心部の赤の広場で式典が開かれ、7日に通算で5期目の任期をスタートさせたばかりのプーチン大統領が演説する予定です。

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めてから3年目に入るなか、プーチン大統領は、軍事侵攻をナチス・ドイツに勝利した先の大戦と重ね、国民に改めて結束を呼びかけるものとみられます。

また演説の後には、軍事パレードが行われ、ショイグ国防相によりますと、70以上の兵器や9000人以上の兵士が参加する予定です。

これを前に、プーチン大統領は8日、旧ソビエト各国の首脳を招いて、ロシアが主導する「ユーラシア経済同盟」の会議を開きました。

会議に出席した首脳の多くは、戦勝記念日の式典にも出席すると伝えられ、軍事侵攻で欧米との対立が深まる中、友好国との連携をアピールするとみられます。

ウクライナでは前日を戦勝記念日に

ウクライナは去年(2023)、第2次世界大戦でナチス・ドイツが降伏した日の5月8日を戦勝記念日と正式に定め、9日を戦勝記念日とするロシアとの違いを明確にしました。

ゼレンスキー大統領はこの日にあわせてSNSに動画でメッセージを出し「80年前、数百万人のウクライナ人たちがナチズムを打ち砕くために戦ったが、こんにち、われわれは再び、悪に立ち向かっている。この悪とはロシアファシズムだ」としてロシアをナチス・ドイツになぞらえて非難しました。

そしてこの動画の撮影場所は侵攻の開始当初、ロシア軍が子どもを含むおよそ350人の住民を監禁した北部チェルニヒウ州の村にある建物の地下室だとした上で「光や食料、水などもない地下室に閉じ込められた彼らを想像すれば、プーチンのロシアがどのようなものであるか理解できるだろう」と訴えました。

その上で「世界がことばではなく行動によって反プーチン連合でまとまれば、モスクワのナチスを阻止し、新たな悪がヨーロッパ全体、さらには世界中に広がることを防ぐことができる」と述べて各国に結束を呼びかけました。

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