米住宅着工件数は前月比、前年同月比ともに減少した(アリゾナ州)=AP

【ニューヨーク=野一色遥花】米商務省が18日発表した11月の住宅着工件数は前年同月比14.6%減の128万9000戸(季節調整済み、年率換算)と7月以来、4カ月ぶりの低水準となった。前月比では1.8%減となり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(134万戸)を下回った。複合住宅がコロナ後供給過剰となり着工が減っている。

全米の複合住宅は前年同月比28.8%減の26万4000戸だった。ウェルズ・ファーゴの調査グループは「コロナ禍後、新築アパートの供給過剰を受け、空き家や着工済みの物件も増えて新しく建てられる複合住宅が減っている」と説明する。

戸建て住宅着工件数は前年同月比10.2%減、前月比6.4%増の101万1000戸となった。戸建て建設について米調査会社パンテオン・マクロエコノミクスシニア米国エコノミスト、オリバー・アレン氏は「前月比での増加はハリケーンで『ヘリーン』や『ミルトン』を受け保留となっていた着工が進んだため」と指摘する。

ハリケーンの影響を受けた南部の住宅着工件数は戸建てが前月比10.2%増の72万7000戸、複合住宅は同18.3%増の62万1000戸となった。

先行指標となる着工許可件数は150万5000戸で前年同月比0.2%減だったが市場予想(143万戸)を上回った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。