予算修正案は賛成少数で否決となった(16日)

奈良県議会は16日、韓国・忠清南道との文化交流事業としてK-POPアーティストの無料コンサートを開催する費用などを盛り込んだ補正予算案を可決し、閉会した。費用対効果を疑問視する自民党・無所属の会の一部議員から関連予算を削除する修正案が出されたが、反対多数で否決された。

一方で、議会後にはイベント開催に賛成した、知事与党の日本維新の会を含む各会派の議員が支出額縮減など7項目の申し入れ書を山下真知事に提出した。山下知事は「今後準備を進めるなかで最大限経費が節減できるように努めたい」とし、2025年度予算案に反映したいとの考えを示した。

イベントは日韓国交回復60周年、県と忠清南道の友好提携15周年を記念して企画された。25年10月に1日限定で実施する予定で、コンサートは奈良公園の春日野園地で9000人規模の集客を想定している。アーティストは韓国側が調整しており、現時点で公表されていない。県は会場設営など事業費の総額を約2億7000万円と見込み、12月県議会に関連予算を盛り込んだ補正予算案を提案していた。

修正案は自民党・無所属の会の5人の議員が提出した。費用対効果への疑問のほか、一過性のイベントで終わる懸念や他の友好提携先とのバランスの欠如などを指摘し、「県民の理解を得られない」とした。これに対して山下知事は「日韓の友好親善、経済効果、奈良県自体のPRといった価値がある。これからの日韓を担う若い世代の交流も重要になる」などと意義をアピールした。

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