【リンク】ユン大統領の弾劾議案可決
2回目の採決で「可決」という結果になった理由・背景は?
先日のユン大統領の国民向け談話が影響したとみられます。
談話では「非常戒厳」の宣言を大統領の法的な権限にもとづく「統治行為」だと独自の法解釈にもとづく持論を展開したほか、「弾劾であれ捜査であれ立ち向かう」と真っ向から対決姿勢を示しました。
与党は元々、世論の怒りが少しでも収まるのを待って、時間をかけて大統領を退陣させた上で、大統領選挙に臨みたいという思惑もあったという指摘もありましたが、大統領の談話によって、到底国民の理解はえられないと考えた与党議員がいたのだと思います。
今回、弾劾案の可決には少なくとも8人の与党議員の賛成が必要でしたが、ふたを明けてみると与党議員12人が賛成したことになります。
与党議員の1割ほどが賛成したことになります。
ユン大統領の職務は一時的に停止される。外交への影響は?
当面、韓国は積極的な外交活動には乗り出しにくい環境になります。
ユン大統領は日本との関係を重視してきましたが、韓国政治に詳しい専門家などからは「与党であれ野党であれ、非常戒厳で国民の大きな怒りをかい、国会で弾劾案を可決されたユン大統領の政策をそのまま引き継ぐのは難しいのではないか」という声が出ています。
韓国は外交当局が中心となり、次の政権が発足するまでは、ひとまず現在の日韓、それに日米韓の関係の維持につとめることになると思います。
今後、憲法裁判所が判断を示す。ポイントは?
憲法裁判所の判断がいつ示されるのか、そのタイミングだと思います。
妥当の判断が出されればすぐに大統領選挙になりますので、与野党はそれを見据えた動きが活発になります。
2004年に弾劾議案が可決されたノ・ムヒョン(盧武鉉)元大統領の場合は、可決からおよそ2か月で「弾劾は妥当ではない」と棄却しました。
2016年のパク・クネ(朴槿恵)元大統領のときは可決からおよそ3か月で「弾劾は妥当」という判断が示されました。
韓国メディアは、今回は弾劾理由が明確なので、より早い判断もありえるとの見方も伝えています。
非常戒厳めぐる捜査 大統領が拘束・逮捕される可能性は?
刑事訴追される可能性はあると思います。
大統領は本来、刑事訴追されない特権がありますが、今回、野党が告発した「内乱」の容疑はその例外で、韓国メディアは憲法裁判所が弾劾の判断を示す前でも法的には内乱容疑で訴追されることはありえると伝えています。
ただ民主的な選挙で選ばれた大統領が罷免される前に逮捕するというのは、捜査当局も慎重になることが考えられます。
弾劾案の可決後に「私は決して諦めない」というコメントを出したユン大統領が次にどんな手を打とうとしているのか、関心が集まっています。
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