韓国の与党「国民の力」は、9日午前から緊急の議員総会など、いくつかの会合を開いていて、ユン大統領が一時宣言した「非常戒厳」をめぐり、対応を協議しているとみられます。

これについて、韓国の通信社、連合ニュースは、大統領の早期退陣に向けた具体的なロードマップや、大統領の弾劾を求める議案が廃案になったことを受けた国民への対応などについて議論すると伝えています。

一方、ユン大統領をめぐっては、国防省の報道官が軍の最高指揮権について、「大統領にある」と述べ、引き続きユン大統領にあるとした一方、 連合ニュースは、警察が、ユン大統領の出国禁止について検討しているとも伝えています。

また、連合ニュースは「非常戒厳」の宣言をユン大統領に進言したと伝えられ検察に拘束されているキム・ヨンヒョン(金龍顕)前国防相について、早ければ今夜にも内乱などの疑いで令状が請求される見通しだと伝えています。

特殊任務団の団長「キム前国防相に利用された」

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が一時「非常戒厳」を宣言したことを受けて、当時、国会に突入した特殊任務団の団長は9日午前、「大統領の『非常戒厳』をテレビで見た直後、司令官から電話を受け、国会に出動し封鎖するよう指示があった」と話しました。

そのうえで「部隊員たちはキム・ヨンヒョン(金龍顕)前国防相に利用された被害者だ。部隊員に罪はなく、あるとしたら無能な指揮官の指示に従った罪だけだ」と述べました。

韓国国防省 報道官 “軍の最高指揮権は大統領”

韓国国防省の報道官は、9日の定例会見で、軍の最高指揮権について、「大統領にある」と述べ、引き続きユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領にあると明らかにしました。

8日、韓国の与党「国民の力」のハン・ドンフン代表は、ハン・ドクス首相との国民向けの談話の中で「大統領が残りの任期中に正常な国政運営ができないため職を退くべきだというのが多数の国民の判断だ。退陣前でも大統領は外交を含む国政には関与しないだろう」と述べていました。

林官房長官「特段かつ重大な関心持って事態を注視」

林官房長官は記者会見で「特段かつ重大な関心を持って事態を注視している。韓国は国際社会のさまざまな課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国であり、日韓関係の重要性は変わらない。引き続き緊密に意思疎通していく」と述べました。

また、アメリカも含めた3か国の連携に与える影響を問われ「日米韓の戦略的連携もかつてなく重要であり、きょうは東京で北朝鮮に関する3か国の高官協議が開催される予定だ。引き続き日米韓で緊密に連携していく」と述べました。

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