シリアでは、先月27日以降、アサド政権の打倒を掲げる反政府勢力が攻勢を強めていて、北部の主要都市アレッポや、中部の要衝ハマを制圧し、現在、首都ダマスカスからおよそ150キロほど北にある別の要衝ホムスの制圧を目指すとしています。
さらにここ数日、南部でも攻勢が伝えられていて、反政府勢力は7日、「ダマスカスの南部から20キロ以内の地点まで迫っている」として首都ダマスカスに向け攻勢を強めていると主張するなど緊張が高まっています。
シリアでは、アサド政権を軍事面で支えてきたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエル軍との戦闘で弱体化し、ロシア軍もウクライナ侵攻の対応に追われる中、反政府勢力が戦線を急拡大させています。
こうした中、戦闘の激化とともに人道状況の悪化も懸念されていて国連は6日、シリアでは先月27日以降、少なくとも37万人が住まいを追われたと明らかにしました。
現地では、厳しい寒さの中、路上や車内で寝泊まりをせざるをえない人もいるとして、国連は、戦闘の一刻も早い停止を呼びかけています。
トランプ次期大統領“アメリカは関わるべきではない”
シリア北東部などには、過激派組織IS=イスラミックステートの勢力が再び拡大しないよう、アメリカ軍の部隊およそ900人がいまも駐留しています。
そうした中、アメリカのトランプ次期大統領は7日、現在のシリア情勢をめぐってSNSに投稿し「シリアは混乱しているが、我々の友人ではない。アメリカは関わるべきではない。これは我々の戦闘ではない。巻き込まれるな」と主張しました。
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