11月下旬、シンガポール与党・人民行動党の党大会で、5月に就任した第4代首相のローレンス・ウォン氏が、リー・シェンロン前首相に代わって同党書記長(党首)に就任することが発表されました。日本経済新聞社の英文媒体「Nikkei Asia」で11月に最も読まれたのは、ウォン氏が直面する与党改革の課題を巡る記事でした。
政府に加えて与党でもウォン氏がトップとなり、シンガポールの20年ぶりの世代交代が完了しました。建国以来政権を握る人民行動党の課題として、女性閣僚が少ないことや、要職に就くエリート政治家の並外れた高給ぶりが批判されてきました。2025年に総選挙を控え、党内基盤の維持と改革の推進を両立するウォン氏の政治手腕が試されます。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 Singapore PM Wong under pressure to reform party as election nears同国の産業界の動きを伝える記事も注目を集めました。東南アジアのマネー特集「ASEAN Money」では、自動運転やロボット、半導体など技術集約型の「ディープテック」企業を取り上げました。欧米や日本から投資が相次ぎ、世界的にも存在感をじわりと高めています。カジノを含む統合型リゾート(IR)「リゾート・ワールド・セントーサ」と「マリーナベイ・サンズ」も大規模な拡張工事に乗り出しました。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 Singapore's quiet rise in the global 'deep tech' race故リー・クアンユー初代首相以来3世代にわたりアジアの貿易・金融のハブとして発展を遂げた都市国家シンガポールがウォン氏の下でどんな成長を描くのか。Nikkei Asiaでは今後も詳しく報じていきます。
ライフ&アーツ インドネシアの隠れた楽園
「ライフ」セクションではインドネシアのあまり知られていない観光地を取り上げた記事が読まれました。インドネシアを訪れる外国人観光客のうち、バリ島が4割を集客しています。観光地の多様化を目指す政府は2021年、5カ所の重点観光地に12億ドル(約1800億円)を投じてインフラ整備やPRを強化すると発表しました。
一方で、サーフィン、マリンスポーツ、海洋生物とのふれあいなど、混雑せずに楽しめる場所は他にもあります。今回の記事ではギリ諸島やロンボク島など、バリ島に匹敵する魅力を秘めながら外国人がほとんど訪れていない楽園を紹介しています。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 Forget the 'New Balis,' visit these Indonesian escapes insteadオピニオン バングラデシュ、一段の混乱も
バングラデシュの政変から12月で約4カ月となるが、社会・経済の安定は遠く、むしろジハーディスト(イスラム聖戦主義者)による混乱に陥る危険性がある――。国際安全保障の問題に詳しいブラーマ・チェラニー氏は、ハシナ前首相の辞任後、国民の過半を占めるイスラム教徒たちが少数派であるヒンズー教徒らを攻撃する事件が相次いでいることなどを挙げ、同国が岐路に立っていると指摘します。
3年前まで世界でも有数の高い経済成長を誇ったバングラデシュですが、かつての勢いを取り戻し、投資家の信頼を回復するのは容易ではないと述べています。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 World's most densely populated nation at risk of slide into jihadist chaos国・地域別トップアクセス
@ベトナム コリアタウン経済圏が拡大
東南アジアに住む韓国人のうちベトナム在住者は17万8000人と、半分以上を占めます。最大都市ホーチミンでは不動産・金融から薄毛治療やピラティスまで、在留韓国人向けの「ニッチ」なビジネスが広がっています。携帯電話の生産拠点を持つサムスン電子など韓国企業のベトナム投資は他の東南アジア諸国を上回り、現地の韓国人社会が1つの経済圏を形作りつつあります。韓国の音楽やドラマを通じて親近感を抱くベトナム人も増え、人的なつながりが強まっています。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 Vietnam's booming Korea Towns nurture niche businesses@インド マザーサン、供給網の多様化模索
インド自動車部品大手マザーサン・グループのビベク・チャーンド・セーガル会長とのインタビューがよく読まれました。スズキや独フォルクスワーゲン、米フォード・モーターなど大手自動車にワイヤハーネスなどの部品を供給し売上高の大半を稼いできたマザーサンですが、これからは航空宇宙や物流など自動車以外の事業で売上高の25%を稼ぐ目標を掲げています。電気自動車(EV)が世界の自動車産業を席巻するという見方への懐疑的な発言も目を引きます。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 India's Motherson seeks diversified supply chain presence@タイ バンコク新中華街「本場感」で勃興
タイの首都バンコクのフアイクワン地区に新たな中華街ができました。付近に中国大使館があり、多くの中国人がこの地域を訪れることから本格的な中華料理店が集中しています。格安カフェ・スイーツチェーン大手の蜜雪氷城(ミーシュエ)といった中国で話題の飲食店も進出し、新たなビジネスの場としての存在感が高まっています。故郷を思う中国系移民だけでなく、中国人観光客にも人気のスポットになりつつあるようです。
【この記事の英文をNikkei Asiaで読む】 Bangkok's new Chinatown wins fans by keeping it real鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。