内戦下のシリアで、アサド政権軍は5日、反体制派からの攻勢を受けていた北西部の要衝ハマから一時的に撤退すると表明した。北部にある第2の都市アレッポに続き、反体制派が第4の都市ハマを制圧することになれば、アサド政権にとってさらなる痛手となる。

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 在英のシリア反体制派NGO「シリア人権監視団」(SOHR)によると、北西部イドリブを拠点とする過激派組織「シャーム解放委員会」(HTS、旧ヌスラ戦線)など反体制派は北側からハマの包囲を進め、5日に突入した。政権軍は当初、反体制派の突入を否定し、徹底抗戦の構えを見せていた。ハマ方面の防衛態勢を強化し、ロシア軍とともに空爆も実施した。しかし5日午後、「(反体制派が)複数の方面からハマに突入した」と発表。「市民が市街戦に巻き込まれるのを回避するため、部隊は再配置され市外に展開した」と撤退を認めた。

 反体制派は11月27日に政権の支配地域への攻勢を開始。30日までにアレッポの大部分を制圧した。SOHRによると、これまでの戦闘で、政権側や民間人も含めて720人以上が死亡したという。

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