アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは4日、複数の国防当局者の話として、制服組トップである、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長とアメリカ軍のブラウン統合参謀本部議長が、11月27日に電話会談を行ったと伝えました。
それによりますと、両者はウクライナ情勢をめぐるアメリカとロシアの緊張激化を避けるための方法について協議したということです。
電話会談で、ゲラシモフ氏は、11月21日にウクライナ東部に向けて行った新型の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」による攻撃は、アメリカがウクライナに対して射程の長いミサイル「ATACMS」を、ロシア領内への攻撃に使用することを認める以前から計画していた、と説明したということです。
これについて、ロシアのプーチン大統領は11月、ウクライナ軍がATACMSでロシア領内を攻撃したことへの報復だと主張していました。
一方、ロイター通信は4日、ウクライナのイエルマク大統領府長官が、アメリカの首都ワシントンで、トランプ次期政権で安全保障政策を担当する大統領補佐官に起用されるウォルツ下院議員と会談したと伝え、1月のトランプ政権の発足に向けたウクライナ側の外交が活発化しています。
ウクライナ“ロシア軍ミサイル攻撃の前にサイバー攻撃実施”
ウクライナメディアによりますと、エネルギー省のアンダラク次官は4日、会議の中で、ロシア軍によるエネルギー関連施設に対する大規模攻撃について「サイバー攻撃のあと1日か2日以内に行われることがわかっている」と述べ、ロシア軍は、ミサイルなどを使った攻撃の前に強力なサイバー攻撃を実施していると明らかにしました。
ウクライナでは、寒さが厳しくなる冬を迎え、ロシア軍によるエネルギー関連施設への攻撃が続いていますが、ロシア軍は、非軍事的な手段も組み合わせて相手国を混乱させる「ハイブリッド攻撃」を仕掛けていると指摘されています。
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