【NQNニューヨーク=戸部実華】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比76ドル47セント(0.17%)安の4万4705ドル53セントで終えた。今週発表の米雇用関連指標次第で米連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利下げを決めるとの見方がある。指標を見極めたい雰囲気が強く、買い手控えにつながった。短期的な相場の過熱感や高値警戒感も、ダウ平均の重荷となった。

3日発表の10月の米雇用動態調査(JOLTS)で、非農業部門の求人件数は市場予想を上回った。4日に11月のADP全米雇用リポート、6日に11月の米雇用統計の発表を控えており「想定よりも強い内容になるかもしれないとの観測を誘った」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との声が聞かれた。

10月の米雇用統計では大型ハリケーンやストライキの影響が出たとみられ、雇用者数の伸びが大きく減速していた。市場は11月は持ち直すとみている。米景気が底堅さを保つなかインフレ圧力が大きく高まらなければ、FRBは17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを続けるとみられる。労働市場の動向を確認したい投資家が多かった。

11月は米株高が勢いづき、ダウ平均は月間で3000ドルあまり上昇した。節目となる4万5000ドルに迫っている。雇用関連指標の発表に加え、4日にはパウエルFRB議長の発言機会も予定されている。米主要株価指数が最高値圏で推移するなか、重要なイベントを前に主力株の一角には利益確定売りが出やすかった。

もっとも、ダウ平均は下げ幅を200ドルあまりに広げた後は下げ渋った。アマゾン・ドット・コムやアップル、エヌビディアといったハイテクや半導体株の一角が買われ、指数を支えた。

そのほかの個別銘柄では2日夕に業績見通しを引き下げたハネウェル・インターナショナルが安い。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、スリーエムなども売られた。半面、メルクやウォルマートは高い。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比76.963ポイント(0.39%)高の1万9480.911(速報値)で終えた。連日で過去最高値を更新した。メタプラットフォームズやパランティア・テクノロジーズの上昇が目立った。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は小幅に3日続伸した。前日比2.73ポイント(0.04%)高の6049.88で終え、連日で最高値を更新した。

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