ニューヨーク証券取引所

【NQNニューヨーク=矢内純一】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、15時現在は前週末比76ドル89セント安の4万4833ドル76セントで推移している。前週末に最高値を更新した後で、主力株の一部に利益確定売りが出ている。トランプ次期米大統領の関税政策の不透明感も投資家心理の重荷となっている。

ダウ平均は11月に3000ドルあまり上昇し、月間の上昇幅は2022年10月以来の大きさとなった。米大統領選後に株式相場の上昇基調が強まっており、短期的な過熱感や高値警戒感がくすぶっている。

トランプ次期米大統領は11月30日、ブラジルや中国、ロシアなど有力新興国の「BRICS」に対して米ドルの基軸通貨としての地位を脅かさないように求める考えを示した。要求に従わなければ、高関税を課すとした。関税は米国のインフレ圧力となるうえ、報復措置は米国の輸出にも影響する。市場では「次期政権の関税政策が経済に与える影響を見極めたい」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との指摘があった。

ダウ平均は下げ渋る場面もある。2日午前発表の11月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は48.4と10月(46.5)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(47.5)を上回った。個別項目では「新規受注」や「雇用」が改善する一方、「価格」が低下した。米景気が底堅さを保っているとの見方は株式相場を支えている。

ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやJPモルガン・チェースが下げている。ベライゾン・コミュニケーションズとハネウェル・インターナショナルも安い。半面、マイクロソフトとアマゾン・ドット・コムが上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸し、11月11日に付けた最高値(1万9298)を上回っている。テスラが高い。高度運転支援システム「フルセルフドライビング(FSD)」の最新版を公表し、好感した買いが入っている。

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