【ニューヨーク=野一色遥花】米サプライマネジメント協会(ISM)が2日発表した11月の米製造業景況感指数は48.4と前月から1.9ポイント上昇し、6月以来5カ月ぶりの高水準となった。ダウ・ジョーンズまとめの市場予想(47.5)も上回った。次期トランプ政権下業況が改善することへの期待を映したとの見方がある。
指数は好不況の分かれ目の50を8カ月連続で割り込み、過去2年ほど50を下回る「不況」水準の傾向が続いている。ただ、調査対象の企業からは「選挙結果が決まり、業況が25年に改善することに期待する」(金属加工品)との声が聞かれた。米証券ジェフリーズの米国エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「トランプ次期政権が打ち出す政策は製造業にとり有益」と分析する。
個別の項目では、新規受注を表す指数が50.4で前月比3.3ポイント上昇した。在庫に関する指数も48.1と5.5ポイント上がった。新規輸出向け受注を表す指数は48.7と3.2ポイント上昇した。
ISMで調査を担ったティモシー・フィオレ氏は「過去2年間と比べて目立ったのは、業者が新たに在庫に投資する意欲を見せたことだ」と説明した。
雇用の指数は48.1で3.7ポイント上がった。「有能で特化したスキルを持つ人材を確保するための競争が続いている」(コンピューター・電子機器)との声が聞かれた一方、「25年1〜3月期の需要次第でさらなる人材削減が必要か見定める」(機材)と見方が混ざった。
「インフレが需要へ重荷となり続け、消費意欲の減退が受注減につながっている」(食品・飲料・たばこ製品)との声も聞かれた。
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