台湾の頼清徳総統はアメリカのハワイに立ち寄ってから、太平洋の島しょ国のマーシャル諸島とツバルを訪問したあと、アメリカ領・グアムを経由してパラオを訪れ、12月6日に台湾に戻る予定です。

頼総統は11月30日午後、台湾の空港で「台湾が民主主義の模範であるだけでなく、世界の平和と安定、繁栄と発展を推進する重要な力であることを世界に示す」と述べたあと、見送りに訪れた各国の大使や報道陣などに手を振り、専用機で出発しました。

台湾総統府によりますと、頼総統はハワイやグアムでシンクタンクの非公開の座談会や台湾出身者との食事会などに出席するということです。

中国は「台湾は中国の一部だ」とする主張を受け入れない与党・民進党への圧力を強め、台湾と外交関係をもつ国の数は民進党に政権が交代した2016年5月の22から12に減っています。

ロイター通信は今回の外国訪問やハワイなどへの立ち寄りを口実に、中国が台湾周辺で軍事演習を行う可能性を伝えていて、台湾では空軍が防空訓練を行うなど警戒を強めています。

米政府 F16戦闘機の部品など台湾に売却へ

台湾の頼清徳総統が立ち寄り先のハワイへ出発するのを前に、アメリカ政府は11月29日、F16戦闘機の部品やレーダーなどを台湾に売却することを決め、議会に通知したと発表しました。

費用は合わせて3億8500万ドル、日本円にしておよそ577億円に上り、アメリカ政府は「地域における政治的な安定や軍事的な均衡、経済的な発展の維持を支援するものだ」としています。

台湾外交部によりますと、バイデン政権下での台湾への武器売却は今回で18回目だということです。

台湾周辺では中国が大規模な軍事演習を繰り返し、軍事的な圧力を強めていて台湾外交部は「引き続き自衛の決意を示し、アメリカとの緊密な安全保障パートナーシップを深めていく」などとコメントしています。

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