欧州中央銀行のラガルド総裁=ロイター

【ロンドン=時事】欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、トランプ次期米大統領との「貿易戦争」を回避するため、欧州各国は米国製品の購入を増やすべきだと訴えた。28日公開された英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)のインタビューで語った。

ラガルド氏は、トランプ氏が中国以外の国・地域の製品にも10〜20%の関税を課す可能性を示唆していることについて、「報復ではなく交渉すべきだ」と表明。関税の応酬を避けつつ、米国から液化天然ガス(LNG)や防衛装備品などを購入するディール(取引)を活用し、トランプ氏との協力を模索すべきだと呼び掛けた。

一方、トランプ氏の貿易政策は「私たちが必要とする変革を加速させるもの」だと述べ、長年の課題である欧州の資本市場統合などを早期に実現させるチャンスだと強調。「欧州は(米国に)後れを取っているが、追い付けないわけではない」として、欧州経済の競争力向上に取り組む必要があるとの認識を示した。

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