米ウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=矢内純一】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で、15時現在は前日比51ドル70セント高の4万4788ドル27セントで推移している。トランプ次期米大統領が25日、メキシコとカナダ、中国に対する関税を強化する方針を示した。一部の米製造業の収益悪化につながるとの懸念から売りが先行した。半面、米景気の底堅さから主力株の一角に買いが入っている。

午前の取引でダウ平均は300ドルあまり下げる場面があった。トランプ氏は25日、中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダに対して25%の関税を課すと表明した。対象地域から部品を調達したり、製品を輸入したりしている製造業にとってはコストの増加につながる。ダウ平均の構成銘柄ではないが、メキシコなどに生産拠点を持つゼネラル・モーターズは一時9%近く下げた。

午後に入り、ダウ平均は上昇に転じた。26日午前発表の11月の米消費者信頼感指数が市場予想を上回った。米景気の底堅さを示したとの受け止めから主力株の一角に買いが入っている。市場では「財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏がトランプ氏の政策を穏健なものにするとの期待が続いている」(ジョーンズ・トレーディングのマイケル・オルーク氏)との指摘があった。

ダウ平均の構成銘柄では、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムといったハイテク株が高い。ウォルマートも上昇している。半面、開発中の肥満治療薬候補の減量効果が市場の見込みに届かなかったアムジェンが下落している。ナイキやボーイングも安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸している。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は7日続伸し、11日に付けた最高値(6001)を上回って推移している。

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