【NQNニューヨーク=川上純平】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落して始まり、午前9時45分現在は前日比211ドル81セント安の4万4524ドル76セントで推移している。トランプ次期米大統領がメキシコとカナダ、中国への関税を強化する方針を示した。供給網で依存する製造業を中心に株価の重荷となっている。ダウ平均は前日まで連日で最高値を更新した後で、主力株には利益確定売りも出やすい。
トランプ氏は25日、中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダに対しても25%の関税を課すと表明した。対象地域から部品を調達したり、製品を輸入したりしている製造業にとってはコストの増加につながる。対外関係の悪化に加え、米国内のインフレ圧力が強まるとの見方もあり、投資家心理を冷やしている。ダウ平均は前日までの4営業日で1500ドル近く上昇し、短期的な過熱感も意識されている。
ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンが急落して始まった。開発中の肥満治療薬候補が約20%の減量効果を示したと26日朝に発表したが、市場では20%を上回る効果を見込む声があった。収益貢献への高い期待がはげ落ち、売りが先行。一時1割安とダウ平均を下押ししている。
もっとも、米株相場の下値は堅い。トランプ氏が投資家のスコット・ベッセント氏を財務長官に指名したのを受け、米国の債務膨張に対する過度な懸念が後退した。米長期金利の先高観が薄れたのは株式相場を下支えしている。
ボーイングやナイキ、シャーウィン・ウィリアムズが下落している。ゴールドマン・サックスやホーム・デポも安い。半面、エヌビディアやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどハイテク株の上昇が目立つ。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸して始まった。
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